
ガタガタの歯並びが気になり、ご相談に来院された20代男性の患者様です。
特に右上の前歯が内側(口蓋側)に入り込んでおり、正面からはほとんど見えない状態でした。そのため、歯並びだけでなく見た目にもお悩みを抱えられていました。
「歯並びはきれいにしたいけれど、健康な歯はできるだけ抜きたくない」というお気持ちから、ご自身に合った治療方法を知りたいと考え、矯正相談に来院されました。
一見すると抜歯が必要と考えられる歯並びでしたが、十分な診断と治療計画を行ったうえで、マウスピース矯正(Invisalign)による非抜歯治療を行った症例です。
患者様の主訴は、「ガタガタの歯並びをきれいにしたい」というものでした。また、できるだけ健康な歯を抜かずに矯正治療を行いたいというご希望もありました。
初診時には、右上の前から2番目の歯が大きく内側(口蓋側)へ入り込んでおり、正面からはほとんど見えない状態でした。全体的に叢生(歯が重なり合っている状態)が認められ、歯を並べるためのスペースが不足していました。
このような歯並びでは、一見すると抜歯によるスペース確保が必要と考えられることもあります。しかし、どの治療方法が適しているかは見た目だけでは判断できません。
そのため、口腔内写真やレントゲン、口腔内スキャナーなどを用いて歯並びや噛み合わせ、お口全体の状態を詳しく分析し、患者様に適した治療方針を検討しました。
今回の症例では、右上の前から2番目の歯が大きく内側(口蓋側)へ入り込んでおり、全体的にも歯を並べるためのスペースが不足していました。そのため、まずは抜歯・非抜歯の両方の可能性を検討したうえで治療計画を立案しました。
クリンチェック(歯の移動シミュレーション)による分析では、歯列全体のバランスや歯の移動量を詳細に確認しました。その結果、上顎歯列を適切な範囲で拡大し、臼歯を後方へ移動(遠心移動)させることに加え、IPR(歯と歯の間をわずかに削りスペースを確保する方法)を必要最小限行うことで、健康な歯を抜かずに歯を並べられると判断しました。
IPRは歯の表面のエナメル質をごくわずかに調整する処置であり、十分な診査・診断のもと、歯の健康に影響がない範囲で行います。抜歯を避けるために闇雲に歯を削ることはありません。
一方で、歯を抜かずに治療することが必ずしも最善とは限りません。無理に非抜歯で歯を並べると、前歯が前方へ突出したり、歯並びや噛み合わせが不安定になったりする可能性があります。
そのため当院では、「なるべく歯は抜かない」という考えを大切にしながらも、見た目だけでなく噛み合わせや将来的な安定性まで考慮し、一人ひとりに適した治療方法をご提案しています。

マウスピース矯正(Invisalign)を用いて、約1年6か月にわたり治療を行いました。
治療開始後は、計画どおりにアライナー(透明なマウスピース型矯正装置)を交換しながら歯を少しずつ移動させました。必要に応じてアタッチメント(歯の表面に装着し、歯を効率よく動かすための小さな補助装置)を装着し、計画に沿って治療を進めました。
また、歯を並べるためのスペースを確保する目的で、IPR(歯と歯の間をわずかに削る処置)を必要最小限行うとともに、上顎歯列を適切な範囲で拡大し、臼歯の遠心移動を組み合わせながら治療を進めました。
治療期間を通して歯の動きを確認しながらマウスピースを順次交換し、右上の前から2番目の歯を歯列内へ誘導するとともに、全体の歯並びを整えました。計画どおり約1年6か月で矯正治療を終了しました。

治療前は、右上の前から2番目の歯が内側(口蓋側)へ大きく入り込んでいたため、正面からはほとんど見えない状態でした。また、全体的に歯が重なり合い、歯列に乱れがみられました。
治療後は、右上の前から2番目の歯が歯列内へ誘導され、正面からも自然に見える位置へ整いました。全体の歯並びも改善し、調和のとれた歯列となりました。
また、健康な歯を抜くことなく、マウスピース矯正(Invisalign)のみで歯列を整えることができました。噛み合わせについても全体のバランスを確認しながら治療を進め、見た目だけでなく機能面にも配慮した仕上がりとなっています。


治療後は、内側(口蓋側)に入り込んでいた右上の前から2番目の歯が自然な位置へ整い、全体の歯並びも改善しました。
健康な歯を抜かず、マウスピース矯正(Invisalign)のみで約1年6か月で治療を終えることができたことに加え、ご希望どおり非抜歯で治療を完了できたことを大変喜んでいただいております。
当院では、マウスピース矯正(Invisalign)だけでなく、表側矯正や舌側矯正(裏側矯正)にも幅広く対応しています。なかでも、歯の裏側に装置を装着する舌側矯正(裏側矯正)は、高い診断力と歯の移動を細かくコントロールする技術が求められる治療です。
そのため、マウスピース矯正においても、「どの歯をどの方向へ、どれくらい動かすか」を細かく検討し、一人ひとりに合わせた治療計画を立案しています。
今回の症例でも、上顎歯列の拡大や臼歯の遠心移動、IPRを適切に組み合わせることで、健康な歯を抜くことなく歯を並べるためのスペースを確保しました。
当院では、装置の種類にとらわれるのではなく、それぞれの矯正治療で培った知識や経験を生かしながら、見た目だけでなく噛み合わせや将来的な安定性まで考慮した治療計画をご提案しています。
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